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excite MUSIC
http://www.excite.co.jp/music/close_up/interview/1310_yoshiki/
Excite:X JAPANが復活して約6年経ちました。ライヴや配信シングルで新曲は発表していますが、アルバムはまだ制作中ですよね。マダム・タッソー東京の記者会見でも、「蝋人形の前にアルバムを出せ」とご自分でも自虐的に言っていましたが(笑)。復活してからソングライティングの指向や意識が変わったんですか? それで時間も掛かっているとか?
YOSHIKI:曲は常に書いているんですね。譜面で書くことがほとんどなので、いつも譜面を持って書いている。で、譜面を見返して、この曲いいな、ちゃんと曲に仕上げようと思ったり。X JAPANでは、描いているアルバムの構想があるから、それに合う曲を作って。あとViolet UKはずっとやっているんですよ。それも完成させたいと思って、いろいろやっている。そんな中、たまに変化球じゃないですけど、ゴールデン・グローブ賞の70周年記念のテーマ曲の話をいただいたので、それも作って。とにかく作曲作業はずっとしているんですけど、アルバムを出すのが当たり前だという、その考え方自体がイヤだっていう。出すからには、その作品が問題作になるとか、ターニングポイントになるとか、そういうものじゃないと面白くないし、アルバムだとしたら時間的な長さとか、どういうものがいいのかと思っていて。
Excite:譜面で曲作りすると言っていましたが、音符を書くと同時に、頭の中で音がワーッと鳴り出す感覚ですか?
YOSHIKI:そうですね、もともとクラシックから入っているので、譜面の時点でほとんど完結しています。
Excite:それは最近のやり方ですよね。それこそXの初期のころは、譜面で書いてなかったでしょ?
YOSHIKI:もともと「紅」は譜面だったと思う。それをメンバーに配ったら、HIDEが「何だ、こりゃ」と言って。だからピアノで弾いたのをテープに録って渡したりして。TAIJIなんかはスタジオで「こんな感じでさ」とか言いながら、煮詰めながらやるスタイルで。でも自分はけっこう譜面のスタイル。ちなみにレコーディングでは、ドラムも全部譜面になっているんですよ。ここはフロアタム、ここはスネアドラムというふうに、音の一発ずつが95%以上書いてある。
Excite:単純に大変な、面倒くさい作業ですよね、それは。
YOSHIKI:面倒くさいけど、何テイクも録った時にエディットがしやすいんですよ。あとフレーズは考えて作るので、全部は覚えきれないだろうから一番シックリくるフレーズを譜面にちゃんと書き留めておく。
Excite:譜面で考えると、いわゆる手癖フレーズを回避できるところもありますか?
YOSHIKI:ある程度は生で弾いたり叩いたりすることを考えながら書いてますけどね。でも僕はもともとギターを弾かなかったから、ギター譜を書いて渡すと、HIDEは「運指をムチャクチャ無視した譜面」と言ってましたね(笑)。そこを、「なんとかするよね?」と(笑)。
Excite:たしかに、HIDEとPATAはいつもYOSHIKIの譜面と格闘していた思い出があります(笑)。あの当時から現在まで曲はいつも書いていると言っていましたが、ソングライティングの源となっているものは? 毎日のように作っていたら、いくら好きでも苦痛になる時もあるだろうし、枯渇する感覚になることもあるんじゃないですか?
YOSHIKI:曲を作ることは全然負担にならなくて、今もけっこう“…あっ、いい感じ”と思うことも多くて。でもレコーディングはツラいですね。毎日スタジオに行って、エディットしたり何だかんだしたりっていうのが。でも、聴き返した時に“やっぱり、いい感じだ”っていうのがあると、明日も頑張ろうって思える。ただ、落ち込むこともありますよ。なぜ同じ作業をずーっとやっているんだろうって。でも妥協できない自分もいる。どこで妥協すればいいかってところで、いつも悩んでしまう。
Excite:それだと永遠に完成形は訪れないじゃないですか。
YOSHIKI:今まで出した曲も、“完成形”と言えるものはなかったと思う。いつもどこかで、“もういい、もう限界”っていう感じで出しているんです。その限界というのは、レコード会社に「いい加減にしてくれ」と言われて出したパターンと(笑)、「もうバジェットがない」と言われた時だったり、どうしても締め切りが来ているとかで。本来だったら、この前やった北米ツアー(2010年)の前に出しているはずだったんだけど、それを過ぎちゃうと、次はヨーロッパ・ツアーの前に出せばいいやと。そうしたら今度は南米ツアーの前、あっ、アジア・ツアーまで終わっちゃった。じゃあ、時間はまだまだあるなって(笑)。そういう悪循環も起こってしまって。
Excite:何度かアルバムは完成間近とアナウンスもされましたが、完成形に近づいては破壊し、そして再構築し、また作り直し…、その繰り返しなんですか?
YOSHIKI:そうですね、その繰り返し。その都度、その都度、ほとんどのところまで出来ていて、だいたい、あと1曲のところで、もう1回振り返っちゃう。あと1曲で完成だ、その1曲をどうしようかと思った時、“これを作ると、他の曲がこうなって~”とか、その1曲で全てが変わってしまうことが多いんですよ。
Excite:自分の中に、厳しいYOSHIKIはいないんですか?
YOSHIKI:妥協に厳しいYOSHIKIはいるんだけど、管理に厳しいYOSHIKIはいない(笑)。
Excite:分かっております(笑)。アルバムは出していないものの、日本も含むワールド・ツアーを行なってきたじゃないですか。ミュージシャンである以上、ステージに立つと新たな刺激も得るだろうし、次の作品の理想形みたいなものも見えやすくなると思うんですよね。ツアーによって、そのあたりの変化も起こりました?
YOSHIKI:ライヴとアルバムはけっこう分けて考えちゃうんですよ。例えばアルバムだったら、1ヶ所にギターが10本重なっているとか、ボーカルもTOSHIが4人歌っているとかできる。でもライヴではそういうアプローチは考えられない。ライヴは割り切っちゃっているところもあるので。ツアーをやって一番変わった点は、本当に気持ちを込めて伝わるんだって思いになったこと。いくらテクノロジーを使って表面を飾っても仕方がないっていう。日本で活動していたころは、東京ドームの楽屋にフランス料理が並んでいるような状況になっちゃっていたんです。でも世界ツアーで南米に行ったら、楽屋に電球もない。懐中電灯で照らしながら着替えたり。場所によっては、楽屋の鍵も開かない、廊下で着替えようとか。そんなことやって、気づいたら裸電球1個でもコンサートやってやるぜって。そういう気持ちになれたことや、音を出していることが幸せだって思えて。それがレコーディングにどう反映できているのか分からないけど、気持ち的な問題がすごく大きいですね。
Excite:その気持ちってYOSHIKIさんの核ですよね。東京に出てきて、ライヴハウスで活動を始めたころの。
YOSHIKI:うん、そうですよ。オーディエンスもそういうのに共感してくれたというか。そういう世界ツアーを廻っている中で、2年前にサマーソニックに出たのも刺激的で。最初はアウェイだと思っていたけど、意外にもそうじゃなかった。いい感じでできたなと思って。それを活かして次にいこうという時、もう1回、充電したかった。アルバムのレコーディングもしているんだけど、次に向かうには心の準備も必要で。振り返ると楽しい思い出ってことになるけど、ツアーには過酷な面も当然あったので。
Excite:バンドとしても、これまでに見たことのない景色も目にしたいという欲求も高まりました?
YOSHIKI:そのためにも準備が必要というか。海外に住んでいると、ギャップがいい時もあればツラい時もあって。アメリカに住んで、もう20年経つんですけど、例えばゴールデン・グローブの曲を作って、呼ばれてレッドカーペットに行くじゃないですか。知っている人達は声を掛けてくれるけど、知らない人からは「ちょっと待ってて」みたいな感じなんですよ。寒い中、平気で30分ぐらい待たされて、自分のインタビューの時間が来たら、「やっぱり今日はいいわ」って。
Excite:ものすごく失礼な応対じゃないですか。
YOSHIKI:でも考えてみれば、20年前もそうだったよなと思って。X JAPANでアメリカへ行った時、このケバいヤツらは何者だ、音楽なんかできるのかって。そういうことをたまに感じたりしている中で、いい意味でも悪い意味でも刺激になっている。チクショー、やってやるぜって。あと海外ツアーは、オーディエンスが期待して観に来てくれるじゃないですか。すごく温かい中で、あとはどれだけライヴを盛り上げるかって。もう一つ次の段階にいくためには、それ以上のところに広めていかなきゃいけない。つまり、こいつらは何者だと思う人達を説得していかなきゃいけない。その強靭な精神力を持たなければいけないなっていう。その精神的な準備をしている段階なんですよね。いろんなバンド仲間もいるけど、ある種、その中でも先頭に立っている気持ちもあって。そうすると風当たりがもろに来るので、いろんな意味で。すごくツラくなる時もある。そこにもう1回向かわなきゃいけないんだなって。精神的にもうちょっと安定してから向かいたいんです。
Excite:見た目はものすごく健康そうに見えますけど、精神的なバイオリズムは日毎に上下するぐらい乱れているんですか?
YOSHIKI:人前に出ちゃうと、けっこう明るい性格なので、家のドアを開けるとYOSHIKIになる。でもドアを開けるまでが大変。開ける前にどんどん煮詰まっちゃうことがよくありますね。気づいたら、暗闇の中でずっと曲を書いていることがあって。けっこう人間嫌いになっちゃうこともよくあるし。でも表に出れば普通に明るい…いや、いろんな問題もある、明るいYOSHIKIに(笑)。
Excite:でも精神性は曲に反映されますよね?
YOSHIKI:それこそ壁に頭をガンガン叩きつけたくなるし、血だらけになるまで壁をぶん殴りたくなる。それぐらいの感じで曲を書いたりレコーディングしたりしていますね。とくにレコーディングがツラい…。
Excite:取材の場でもツラいと言っちゃうぐらい大変なのは、何がどうなっているんですか?
YOSHIKI:分からないですよね、もう。ここまで来ると、オーディエンスでもない、レーベルでもない、自分が納得しなきゃ納得できない。その自分という壁が一番でかくて。どうやったら、これでもういいだろうと言えるのか。妥協にうるさいYOSHIKIを叩き壊さなきゃいけない。“自分 対 自分”の闘いになっていて、ある種、分裂しちゃっているんじゃないかと思って。片一方では、もうこれでいいじゃんと言っているのに、もう片方はダメだと。そこには誰も入って来れなくなっちゃう。たまに誰かが来て、曲を聴いてもらうと、いいじゃん、もう出そうよって。でも「いや、それでもね…」と言う自分がいて。
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