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――最終的な仕上げをI.N.A.さんの手に委ねられるからこその安心感……。しかし、まるで恐竜の化石を発掘して、そこから骨を作りながら組み立てていくみたいな壮大な作業だったわけですね。
馬場:正直、他の作業には喩えにくいですね。でも、モノを作るという作業にはどれも似たところがあると思います。
――完成状態というのを見極めるの難しさというのもあったと思うんです。ここまでくれば完成、というのを、自分で決めるしかないというか。
馬場:ええ。それについては、あらかじめお借りしていたhideさんのオリジナル・トラックと聴き比べて照らし合わせながら作成していったというのもありますし、ちょっと裏話的なことになるんですけど、実はたまたま同じ部署の隣りの席に、本当に筋金入りのhideさんファンの女性がいまして。彼女にものすごくアドヴァイスをもらいましたね。彼女に聴かせては、駄目出しをもらったり。「これでどう?」「いや、こんなのhideじゃない」みたいなやり取りが多々ありました(笑)。実はそれがいちばん大きかったようにも思います。この仕事が僕のところに来てくれて良かったと思えたのは、その彼女がいなければ実現できなかったからこそでもあるんです。そういった偶然もあれば、自分がこの作業を請け負うことが可能なタイミングにあったというのもあったわけで。そういった偶然がいくつも重なって、可能な状態になったんですよね。何かの力によってこれができるように導かれていたような気もしますね。
――ひとつ確認しておきたいんですが、2年前に話が始まった時点では、締め切りはいつ頃に設定されていたんですか?
馬場:どうなんでしょうか?
木村:締め切りは、当初はなかったと思います。まず、できるかどうかという話で。
I.N.A.:それが可能かどうか。そこからの話でしたからね。何回も「これは無理じゃないか?」という話になりながら、だんだんと進んできて、1年半ぐらいかけて……。
馬場:I.N.A.さんは初期段階のものも聴かれてたんですよね?
I.N.A.:はい、聴いてました。
木村:その時点ではおそらく、2ヵ月ぐらいを目途にしながら、うちでまず作らせていただいて、それをお聴かせして、行けるかどうかというのを判断しましょう、と。その段階でのものがあんまり良くなかったんですよね。それでもう諦めるしかないかな、というところもあったんですけど、膨大なhideさんの声の素材を貸していただいていたので、それをもとになんとか続けようとしたというか……。こちらとしても、この作業に取り組むことがのちのち役立つんじゃないかというのがあったんです。それで「もうちょっとやらせてください」ということになり、エンジニアを馬場に変更することになったんです。
I.N.A.:要するにその時点では、ヤマハさんの“今ある技術”で構築していただいてたってことですよね?
木村:そうなんです。で、今の技術だとやっぱり限界があったので、さきほども話に出た公開前の新技術というのを使って、足りないところを埋めていく作業というのをやって。それを進めていくうちに「これはできるかも」ということになったんですよね。
――タイミングの妙というのもあったわけですね。もしもその技術が2年前の時点で使えていたらもっと早くこの音源は登場していたのかもしれません。でも結果、こうして実際に完成したのが、hideさんの50回目の誕生日に間に合うギリギリの時期だったわけで。
木村:ええ。だから本当にこれがカタチになりそうだとわかったときにはホッとしましたし、純粋に嬉しかったですね。
――初期段階のボーカロイドの音源はあまり良くなかったという話がさきほどありましたけども、それは結局、どんなところが良くなかったんでしょうか?
I.N.A.:まず最初の段階のものは、とにかくhideが歌ってるようには聴こえなかったので。だから何かしらを変えていかないと、世に出せるものにはなり得ないなというのが最初の印象でしたね。僕は当初はそう感じてました。それがある時期に、急に変わったんですよ。「これは行けるんじゃないか?」というタイミングが突然訪れて。
馬場:おそらくI.N.A.さんが聴かれた最初のデモというのは、僕が関与していない段階でのものだと思うんです。だから、それがどんなものかというのは僕自身にもわからない(笑)。ただ、それを僕が引き継いだ段階で聴いたものというのも、そこからさらに進んだ状態にあったものであるはずなんですけど、「これは全然、hideじゃないよね」と言わざるを得ないものでした。僕もそう言った記憶がある。でもそこで同時に、「面白そうだからやらせて欲しい」と僕は言ったわけなんです(笑)。
――実際、面白そうだという興味や好奇心を抱ける作業じゃないと、なかなかここまで徹底的に打ち込めるものではないと思います。
馬場:個人的なことになるんですけど、僕はボーカロイドの仕事を始めてから今年で11年目になるんですね。で、実は当初から、亡くなった方の声とかを合成することができるようになるかもしれないというのを聞いて、ヤマハに入っているんです。なので、これは10年以上越しの夢でもあったんです。いつかこういうことをやりたい、というのはあった。そのチャンスが到来したと思ったので、「絶対やらせてください!」と。
――なるほど。しかも今回のプロジェクト成功というのは、今後のボーカロイド発展のためにも重要な実績になったわけですよね?
馬場:はい。それはものすごく大きいと思います。
――ここで改めて楽曲自体について。冒頭のほうで『Ja,Zoo』に入るべきだった曲、という話がありましたけども、要するに当時からすでに「あとはヴォーカルさえ録れば完成」という状態にあったわけですか?
I.N.A.:そうですね。基本の屋台組は終わっていて。「HURRY GO ROUND」とかもそうだったんですけども、バンドの部分、音楽の部分というのは大体できていて、あとは……。たとえば「HURRY GO ROUND」の場合は仮のヴォーカル・トラックがあったので完成させることができたんですけど、「子 ギャル」の場合はまだ歌詞のない「♪ラララ~」みたいな状態でしか歌を録っていなかったので。ちょっと話が飛ぶんですけど、今回リリースされるアルバムの初回限定盤には、その「♪ラララ~」で録られたデモ・トラックもエクストラ・トラックとして入れてあるんです。こういう状態にあったものがここまで来ました、というのを理解してもらえるように。
――2014年verだけではなく、1998年ヴァージョンもそのまま聴けるというわけですね。
I.N.A.:はい。その1998年のデモをもとに、ちゃんと歌詞が載った今回の新しいヴァージョンを作ったということを、皆さんに知って欲しかったので。
――不幸中の幸いだったのは、いわゆる歌メロがすでに載っていたこと、そして歌詞が書きあがった状態にあったこと、ということになりますね。
I.N.A.:そうですね。そのデモ音源自体は、僕、hideのオフィシャル・イベントでDJをやってるんですけど、そこでたまにお客さんにも聴いてもらったりとか、そういうこともやってきたんですね。だから、「♪ラララ~」の状態のものについて聴きおぼえのある人たちもいるはずで。
――「子 ギャル」というタイトルはすでに存在していたんですか?
I.N.A.:ええ。タイトルはすでに当時からあったし、「子 ギャル」という曲だけ完成させられなかったということは、すでに僕自身、言っていたんです。だからお客さんのなかでもコアな人たちは知っているはずだと思いますね。
――『Ja,Zoo』に収録されるべき曲としてはかなりポップな部類に入る曲ですよね。この曲が実際に入るか否かによってアルバム自体の印象も少なからず変わっていたんではないか、という気もします。
I.N.A.:ホントにそうだと思いますね。実は曲順も決まっていて、hideの手書きの曲順表があるんですけど、英語のタイトルの曲ばかり並んでるなかで、この曲だけその時点から「子 ギャル」って漢字とカタカナで表記されてたんです。
――普通はなかなか付けないタイトルですよね(笑)。
I.N.A.:そうですよね(笑)。
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