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●YOSHIKI、なぜ着物プロデュース?「もともと呉服屋の長男」
「X JAPAN」のYOSHIKIさんが着物のブランドを立ち上げました。その名も「YOSHIKIMONO」。17日に都内で開いた初のファッションショーでは、艶やかで斬新なデザインの着物をまとったモデルがランウェーを歩きました。でも、なぜYOSHIKIさんが着物を手がけたのでしょうか。ご本人に聞くと、意外な答えが返ってきました。
ファンが見守る独特の雰囲気
YOSHIKIさんがショーの会場に選んだのは渋谷のヒカリエ。東京コレクション(メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京)という一週間にわたるファッションイベントのフィナーレに登場しました。
東京コレクションはパリやミラノのコレクションと同じように、服を買い付ける人やジャーナリスト、ブランドの関係者などが来場するファッション業界のためのイベントで、ショーを見るにはブランドからの招待状が必要です。しかし、YOSHIKIMONOのショーには、ファンのような人の姿も見えるという、独特の雰囲気に。
「ヨシキ-!」「よっちゃ~ん!」
ショーの会場に入ってまず目を引いたのが、ランウェーのど真ん中に置かれた透明のグランドピアノ。YOSHIKIさんの生演奏が聴けるのではと一気に期待が高まります。会場に流れる「Forever Love」のBGMを聴きながら、午後9時の開始時間を待ちます。
午後9時35分、「ドンドン」という和太鼓の生演奏とともに、花柄の着物を着たモデルが登場しました。わざと着崩して胸をはだけさせ、裾は短め。赤い網タイツが目を引きます。YOSHIKIさんの姿を探すと……3人目に般若の仮面をかぶった白い羽織姿の男性が。さっと仮面を外すと、YOSHIKIさんでした。
その瞬間、「ヨシキ-!」「よっちゃ~ん!」と女性の悲鳴が。ファッションショーではなかなかない光景です。まるでライブ会場のようでした。ファンから「よっちゃん」と呼ばれているYOSHIKIさんの姿に、ファッション関係者も興味津々の様子でした。
グランドピアノで生演奏
YOSHIKIさんはグランドピアノに座り、静かに曲を引き始めました。その演奏にあわせて、改めてモデルが登場してきます。「白鳥の湖」をはじめ、クラシック曲や自身が作曲した曲も。
ついついYOSHIKIさんに目が行きがちですが、着物もなかなか独創的です。アニマル柄やストライプ、チェックなどに、ロングブーツやアクセサリーをあわせる。途中、モデルがピアノの上に乗り、YOSHIKIさんを挑発するようなポーズを見せるなど、演出にもこだわりを感じました。
「家業を継がず…」
演奏を終えたYOSHIKIさんは、ランウェー上で着物から革ジャンに着替えて、来場者にあいさつ。大きな拍手と「ヨシキー!」「よっちゃ~ん!」という歓声の中、モデルたちと一緒にランウェーを去りました。
ショーの後に行われたフォトセッションでは、手を前でクロスするXポーズやピースサインを見せるなど、サービス精神旺盛。
記者の囲み取材で「着物を手がけたきっかけ」を聞かれた、YOSHIKIさんは「もともと僕は呉服屋の長男なんです」と驚きの一言。家業を継がずにロックの道に行ったが、海外で長く生活する中、改めて着物の良さに気づいたそうです。今後も着物の新作を発表していく予定で、海外でのショー開催についても、「挑戦していきたいという興味はあります」と語りました。
「海外で過ごし、着物すてきだと思うように」
――今回、着物を手がけることになったきっかけを教えてください
もともと僕は呉服屋の長男なんです。普通日本だったら、家を継ぐんですけど、僕はロックの道に走ってしまった。だから今回、前から思っていた着物ができてよかったなと思っています、
――以前から着物を手がけたいと思っていたのですか。
呉服屋だったので、お母さんはいつも着物だったし、僕も子どもの頃からよく着物を着ていた。着物が日常的なもので、全く特別なものではなかった。ロサンゼルスに20年以上、過ごす中で、日本の文化を海外から見ると、着物の文化がすてきな文化だと思うようになった。ただ、(自分がやるなら)普通の着物を作ってもつまらないと思ったので、自分がもっているロックの要素と融合しようと考えました。
「最初は陰でひこうと思っていたけど」
――音楽とファッションは共通するものがあるのでしょうか。
そうですね。ファッションなしの音楽もないし、音楽なしのファッションもない。離れているようで、ものすごい近い位置にいると思っています。
――ショーの最中にデザイナーがいるというのは珍しいですよね。会場の真ん中からショーをみてどう感じましたか。
BGMはけっこう悩みました。いろいろ考えたんですけど、着物は和なので、和太鼓を最初にもってこようと思いました。次に着物とクラシックってあうのかなと思って、ピアノをひくのもありなんですかと打ち合わせ中に聞いたら、「是非に」となって。最初は陰でひこうと思っていたのですが、だんだん前になって、ついにはど真ん中に(笑)。
「厳しいアドバイスもいただきたい」
――今回のコレクションは何体ぐらい作ったのか。また苦労した点は。
コレクションの数は40弱ぐらいでしょうか。自分はいま音楽業界にいますが、異業種から音楽業界に来ると構えてしまうところがある。ぼくが今回はそういう立場なので、それなりに厳しい意見もあるかなと思う。いろんな意味で良いアドバイス、厳しいアドバイスもいただければと思う。音楽とファッションは切れない中なので、お互いに刺激し合っていて、これからも作り続けていきたい。
――ご自身でショーの点数をつけると
僕はちょっと言いたくないなぁ(笑)。動画を見てみないと。ステージからだとよくわからなかったので。みなさんにつけていただいて。ただ、スタッフにすばらしい方々に入ってもらったので、かなりよかったと思う。まあ、賛否両論呼ぶのかなと。
「海外でも挑戦したい」
――ヨシキモノの意味を教えてください
なんとくなんですよね。わかりやすいかなと。
――今後の展開を教えていただけますか。パリコレなど海外進出も考えていますか
ヨシキモノは数年前から企画し、(着物を)何度も作っては壊し、作っては壊しを繰り返してきた。完成形を待つのではなく、どんどん良い点、悪い点も含めて実験的にショーをやっていきたい。次も東京でショーをするかどうかはわかりません。海外にもよく行っているので、そういうところでの挑戦もしていきたいという興味はあります。
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ナタリー
● YOSHIKIがデザイナーに、ファッションショーで“着物とロックの融合”&生演奏
YOSHIKI(X JAPAN)がデザイナーとして携わる着物ブランド「YOSHIKIMONO」(ヨシキモノ)のファッションショー「YOSHIKIMONO FIRST COLLECTION」が、昨日10月17日に東京・渋谷ヒカリエ ヒカリエホールAにて開催された。
これは本日18日まで開催中のファッションイベント「Mercedes-Benz Fashion Week TOKYO 2016 S/S」のフィナーレを飾った企画。和太鼓のパフォーマンスから始まったファッションショーでYOSHIKIはクリスタルピアノの前に座り、自身がデザインに携わった着物を着たモデルがランウェイを歩く中でベートーヴェン「月光」、チャイコフスキー「白鳥の湖」をストリングス隊とともに演奏した。さらにYOSHIKIはX JAPAN「ART OF LIFE」と、自身作曲の「I'll Be Your Love」もプレイ。艶やかな着物の数々が優雅な生演奏の中で披露された。
YOSHIKIは呉服屋の長男であることから、幼少期より着物に対する思い入れが強かったことを話しつつ、「YOSHIKIMONO」について「着物とロックの融合を目指してデザインを考えた」とコメント。また自身がファッションショーの中で演奏するというシチュエーションに関しては「当初はBGMを“和”の要素に寄せたものを流そうと思っていた」と述べたあと、着物のショーであることから和太鼓の演舞を冒頭に取り入れ、さらにクラシック曲も合うはずだという考えに至り、自身でピアノを演奏することにしたという。
またデザイナーとしてファッション業界と関わりを持ったことについては「実験的な要素が強いので、ファッション業界から賛否両論出ると思う」と語ってから、「音楽とファッションは切っても切れないものだと思うので、今後さらに刺激を与え合っていきたい」と思いを述べた。
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