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今YOSHIKIはどこにいるんでしょうか?
今回の帰国ではかなり活発に動いているようですね。
いつも活発に動いているようですが…。
今回は特に表で動いてくれているので嬉しいですね!
ってことで。
ナタリーのインタビュー記事です。
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ナタリー
8年ぶりとなるソロアルバム「YOSHIKI CLASSICAL」をリリースしたX JAPANのYOSHIKI。これまで「天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典」のための奉祝曲「Anniversary」や「愛・地球博」の公式イメージソング「I'll Be Your Love」、いくつものハリウッド映画音楽や2012年、2013年と2年連続してゴールデングローブ賞のテーマ曲を手がけてきた。
今回のアルバムにはそれら世界的な規模のプロジェクトのテーマ曲に加え、X JAPANワールドツアーのオープニング曲でもある新曲「Miracle」などが収録されている。近年ではTwitterやFacebookでファンと交流することも多いYOSHIKIが、今何を考えてこのアルバムをリリースするのか。X JAPANのアルバム制作の状況などを含め、気になるところを一気に語ってもらった。
取材・文 / さやわか 撮影 / 上山陽介
SNS時代のYOSHIKIの活動
──8年ぶりのソロアルバムとなると、それだけ力の入ったリリースになりそうですね。
YOSHIKI
でも、もともと出そうと思って作ってたわけじゃないんですよ。まあ曲がいろいろ溜まってしまったので、だったら出したらいいんじゃないかなっていう感じですかね。今年はゴールデングローブ賞のテーマ曲をリリースしたんですけど(参照:YOSHIKI「ゴールデングローブのテーマ」iTunesで世界配信)、そういう流れの中でアメリカの友達としゃべっていて「だったらなんでアルバムでリリースしないの?」って言うから、「いや、だってゴールデングローブ賞の曲はそれ1曲だけだから」って答えたら「YOSHIKIってそういえば万博の曲とか書いてたよね。そういうの集めて出せばいいじゃん」って言われて。「ああ、そうか」と。
──確かにYOSHIKIさんは、実はアルバムという形でリリースされなくても、いろんな場所で曲を書かれていますもんね。今回はそれをコンパイルしたものになる。
はい。その通りですね。ある種何かのベスト盤みたいな感じでもあります。あとはまあファンの人たち、海外の人たちは特にそうですけど僕のクラシックの演奏をあんまり聴いたことがないっていう理由から話が始まってるのはありますね。SNSとかでファンからそういう意見もあったので、だから出してよかったんじゃないかなと思います。自分の頭の中はX JAPANのアルバムと、ソロのViolet UKの2つしか頭になくて。まさかクラシックアルバムがその前に出てくるなんて想像もしてなかったんですけど。
──YOSHIKIさんにとってCDリリースというのは、ファンの希望に応えるという気持ちが強いんでしょうか? あるいはアーティストとしての純粋なクリエイティビティみたいなものと、どちらなんでしょうか。
両方だと思うんですけど、まあ微妙なところですよね。求められてるものを単純に投げるのか、または自分がやりたいものを出すのかっていう、その線引きがすごい大事だと思うんです。僕の場合、両方とも考えている。逆に言うと、レーベル的な発想があまりないですよね。何年に1枚出さなきゃいけないとかっていうのがない。まったくないわけじゃないですけど、10年前よりは少なくなってきてはいます。それはそれでよくないことかもしれないですけど(笑)。
──変化と言えば今SNSのお話がありましたけれども、YOSHIKIさんはネットやSNSの普及でファンとの距離感が変化してるように思いますか?
すごく思ってます。もともとX JAPANって、ある程度役目が決まってたんですね。僕はリーダーということでバンドを率先してやっていく。あとはまあサウンドプロデューサーにも近かった。あとは、バンドの中の潤滑油みたいなのがPATAだったり、そういういろんな役目があったんです。で、ファンとのコミュニケーション係っていうのが、HIDEが生きていたときはHIDEだったんですよ。HIDEがよく言ってたのは「ファンとのコミュニケーションは自分がやるから、YOSHIKIはもっと音楽に集中してくれ」みたいなことで。HIDEが亡くなってからはずっと悲しみの時代があって、それからまたこうして動き出したわけですけど、そのときに「ああ、その役目って今は自分がやるべきなのかな」って思ったんです。最初にそういうことをやり始めたときには、すごくそれを考えましたね。
──実際にファンと触れ合ってみると新鮮でしたか?
それはありますね。意見がダイレクトに伝わってきますし、反応がすぐわかる。例えば今回のアルバムにはX JAPANの楽曲のクラシックバージョンもいくつか入っていますが、それはやっぱりファンの人たちの聴きたいという要望があったからだと思います。でも逆に1曲目の「Miracle」という曲はもう、自分が作りたいから作った曲なんです。クワイアみたいな歌詞をイタリア語で書いたんですけど、僕はイタリア語があんまりうまくないので、イタリア人の知り合いと「この韻がいいね」とか話しながら書きました。なんかみんなに「この曲はなんのために書かれたんですか?」って言われるんですけど、この曲が頭に浮かんで書いてみたかったということなんです。まあ作りたかったから作ったっていう曲。
──ファンの望むものと、ご自身が作りたいものをどういう配分で作るかというバランスが難しい時代になっているのかもしれないですね。
そうですね。求められてる方向に行ってしまうのがいい場合もあるし、やっぱりアーティストなので自己主張をしていくべきだと思ったりもしますね。まあ作曲とかしているときに、「これはけっこう裏切りっぽいな」とか、求められてるのと違うなと思ってニヤニヤしながら書いたりすることもありますし(笑)。
──予想を裏切っていきたいみたいな気持ちがあるんですね。
ありますね。それは自分に対しても常にそうしていると思います。同じことを繰り返してると新鮮じゃなくなっちゃうので。まあ普遍的なメロディっていうやつもあると思うんですけど、それとは別にアレンジ面であったりサウンド面だったりっていうのは、どんどん変わっていっていいんじゃないのかなって思います。
クラシックは日常的な存在
──今回はクラシックアルバムということになるんですが、幼少期からクラシックに親しんでいたYOSHIKIさんとしては、クラシックというジャンルはずっと大切に思っていたわけですか?
逆に言うと幼い頃はクラシックしか聴いてなかったんです。その後、内面的にも外的にも反抗的になった時代にロックと出会ったっていうことで、つまりクラシックからいきなりロックにいっちゃったんですね。だから大切っていう思いよりも、自分の中にクラシックがもう、日常としてあったんです。
──ということは、今なおYOSHIKIさんにとってはクラシックは日常的な、親しみ深いものとしてあるわけですね。
ただ、けっこう前から、クラシックでもなんとなく「あの楽曲のあのピアノ難しいな」とかそういうレベルで聴いちゃうんですよ。
──ミュージシャンとしての耳で聴いてしまうということですか?
YOSHIKI
そうですね。よくないなと思います。ショパンの幻想即興曲をまたちゃんと弾けるように練習していて、すごくきれいな曲だと思うんですけど、でもその前に「この16分の音とこの6連の組み合わせが」とかって考えちゃうので、もっとエンジョイしたいなと思んですよね。でもエンジョイするには、まずはきれいに弾けるようにならないといけないんですけど。しかし、そういう意味では今回のアルバムはテクニックどうのこうのよりも、メロディとかを純粋に楽しんでほしいと思いながら選曲しました。
──YOSHIKIさんがもともと感じていたクラシックのよさを、自分の音楽を通してリスナーに伝えたい?
そうですね。「YOSHIKI CLASSICAL」を聴いたのをきっかけに、ちょっとほかのクラシックにも興味を持ってもらって、ピアノコンチェルトが好きになりましたとか、(フランツ・)リストが好きになりましたとか、チャイコフスキーが好きになりましたとか、そういうことが起こるとそれはそれでうれしいなと思います。
──ところでジャケットがすごい攻めていてカッコいいですよね。これもディレクションをされたんですか?
はい。もちろんジャケットはいろんな方々と作らせていただきましたが、もともとは僕のアイデアですね。そもそもこのCDってアメリカで企画されたもので、アメリカで出そうと考えていたんだけど、だったら世界中で出そうよっていうことになったものなんです。それでアメリカでは一応クラシックらしい形で出そうということになって、ジャケットも普通にピアノのところに座って撮ったんです。それができあがって、まあいいかなと思ってたんですけど、「ちょっと待て」と思ったんです。アメリカだけならいいけど、世界中で出すならと思って、それで日本に来て、改めて撮影したんです。そのときに「遠くから見たらスカルに見えるみたいな構図を考えられませんかね」みたいな話をして。だけど今度はこれをアメリカに持っていったらノーが出ちゃいまして、アメリカとしてはやっぱりクラシックで売りたいって言われたんです。だからアメリカ版はジャケットが違うという形になりました。(参照:YOSHIKI、X JAPAN世界ツアーOP含むクラシック盤発表)
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