X JAPAN My Space
X JAPAN podcast
U.S.A.
X JAPAN Facebook
X JAPAN bebo
TAIWAN
HONG KONG
KOREA
THAILAND
CHINA
FRANCE
UK
X JAPAN.TV
YOSHIKI mobile
YOSHIKI twitter
YOSHIKI Facebook
YOSHIKI YouTube
YOSHIKI Soundcloud
YOSHIKI Google+
YOSHIKI Instagram
YOSHIKI Weibo
YOSHIKI MySpace
YOSHIKI Tumblr
VIOLET UK MySpace
VIOLET UK Facebook
YOSHIKI Ustream
THE OFFICIAL VUK STREET ARMY MySpace
S.K.I.N ONLINE
YOSHIKI Jewelry
Repo! The Genetic Opera
Repo! MySpace
Repo! JAPAN OFFICIAL SITE
x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x
TOWER RECORDS ONLINE
2013/08/28/b1212-hide/b1212_01
● INTERVIEW(1)――hideの音楽を爆音で楽しもうと
hideのソロ活動開始から今年で20年、そして来年には彼自身の誕生から50年を迎えようとしている。そんなアニヴァーサリー・イヤーに相応しく、さまざまなコンセプトやテーマに基づいたトリビュート・アルバムが〈SPIRITS〉をキーワードとして掲げながらリリースされているが、今回はいよいよ彼自身の盟友ともいうべきINAの手による、『hide TRIBUTE Ⅴ-PSYBORG ROCK SPIRITS- ~CLUB PSYENCE MIX~』が登場。実に全18曲をノンストップで繋げたリミックス作品なのだが、同時にこれは〈hide自身の歌声をたっぷりと堪能できるトリビュート作品〉という画期的な一枚でもある。今回はその当事者であるINAに、話を訊いた。
――リミックス作品のあり方というのはさまざまですけど、この作品は全曲がノンストップで繋げられたもの。かなり大変な作業だったんじゃないですか?
「時間をかけようと思えばいくらでもかかりますからね(笑)。今回、シリーズ的にトリビュート・アルバムがリリースされるなかで、僕がすべてを監修する形でのリミックス・アルバムを1枚作りたいという話をいただいて。そこでやっぱり何かコンセプトがあったほうがいいだろうと考えたとき、〈CLUB PSYENCE〉をキーワードにするのがいいんんじゃないかということになったんです。それ自体、僕自身にとっても所縁の深いものだし」
――その〈CLUB PSYENCE〉について。ファンにとってはもはや説明不要のはずですけど、改めてこのクラブ・イヴェントが始まった経緯というのを話していただけますか?
「1997年に〈MIX LEMONed JELLY〉というイヴェントがあったんですね。都内のクラブ4軒ほどを借り切って、お客さんはそこを自由に行き来できるシステムになっていて、いろんなアーティストがそこでライヴをやったりDJをやったり……。そこでhideと僕とでDJユニットみたいなのを作って、いつ、どの会場に現れるかわからないゲリラ的な感じでDJをやったことがあって。それが〈CLUB PSYENCE〉の起源としてはあるんです。そして彼が亡くなった後に〈hide MUSEUM〉が出来て、その館内のライヴハウスで、彼の音楽を爆音で楽しもうじゃないかというのがイヴェントとしての始まりですね。時期によっては〈CLUB PSYENCE〉の名前を掲げてツアーをやってみたり。近年ではラジオDJの浅井博章さんをメインDJとしたイヴェントとして行なわれていて、そこに僕もゲストとして関わらせていただいたり。今年は〈hide MUSEUM〉の期間限定復活とか、こういった一連のトリビュートとかいろんな動きがあったので、ちょっとお休みしてたんですけど、今回のリリースを記念してのイヴェントも近いうちに行なわれることになってるんです」
――それは楽しみですね。そして、いまの話からもわかるのは、そもそもはhideさん自身の〈何かおもしろいことをやりたい〉という発想から始まったものだということ。
「ええ、まさに。そもそも〈MIX LEMONed JELLY〉を開催するにあたっても、hide自身は出ないつもりでいたんです。ところがロサンゼルスから帰ってきてみたら大変な騒ぎになっていて、〈これは出ないわけにいかないだろう〉ということになって(笑)。そうしないと収拾がつかない。そこで急遽、2日間ほどかけて2人でいろんな曲のリミックスをしたり、クラブ風にリアレンジしてみたり。そういったものを何曲かプレイしたんです。彼自身はもともと、自分不在のイヴェントとして企画していて、そこにフラッと遊びに行って一杯やりたいな、ぐらいの考えだったはずなんですよ(笑)。だけど知らないうちにコトが大きくなっていて」
――〈CLUB PSYENCE〉という機会はこれからも残っていくことになるわけですよね。それこそ時代とともに形を変えながら。
「そうですね。実際これまでもいろいろ変わってきてるし。ただ、根本的にはお客さんも出演者側もhideや彼の音楽が好きという共通項があるなかでやっていることで、単純に言えば、同じものを好きな者同士集まって、大好きな音楽を大音量で楽しもうということなんです。いまではそういったクラブ・イヴェントもすごく定着してきてますけど、当時はあんまりなかったですよね。ロック系のアーティストが主導してそういうことをやっているという例はほとんどなかったと思う。そういう意味では、早かったのかもしれませんね」
x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x
TOWER RECORDS ONLINE
2013/08/28/b1212-hide/b1212_02
● INTERVIEW(2)――あくまで原曲を活かした〈歌もの〉
――今作は、言わば〈CLUB PSYENCE〉を疑似体験できる作品として仕上げられているような部分もあるわけですよね?
「ええ。それこそパラレル・ワールドみたいなものがあったとしたら、いまでも彼はこんなイヴェントをやってるんじゃないかという設定の作品でもある。聴いてもらえればわかるとおり、1曲目が始まった時点で架空の場所に導かれていくようなストーリー仕立てになっていて。謎の場所でhideがMCを務めながら〈CLUB PSYENCE〉をやっているというような場面設定ですね。そこでのヴァーチャル体験というか。音源については、収録曲の半数ぐらいが新しいアレンジになっているんですけど、もう半分は、原曲をちょっといじったり、新しいパートを付け足した程度のものになっていて。まったく手を加えてないものというのは1曲もないんですけど、原曲のイメージを大幅に変えるようなことはしたくなかった。で、それをすべて違和感なく繋げたかったんです」
――要するに、新たな解釈をすることが目的だったわけじゃなく、気持ち良く繋げていくために必要な手の加え方をしたにすぎないということですよね?
「そうですね。原曲をそのまま使ってるものについては繋ぎの部分を作ることにとどめたり。とにかく全部繋げようというのが当初からあったんで。正直、よくできたなというか、うまいこと繋がったな、と自分でも感じてます(笑)。最初のうちは〈どの曲から始めようか?〉とか、いろいろと迷いましたけど。ただ、僕の場合はそもそも彼といっしょにオリジナルを作ってきた人間でもあるわけで、昔の曲のサウンドをいまになっていじることにもさほど違和感を覚えはしなかった。しかもリスナーの方々にも、僕が作ってきたサウンドというのを長年聴いてきていただいてるわけじゃないですか。それで結果、違和感がないというか、どこか安心できるものに仕上がってるんじゃないかと思うんです」
――僕自身にも安心感を覚える部分というのはありました。リミックスなどの場合、あまりにも大胆に料理されていると〈カッコイイのは確かだけど、そこまでやってほしくなかった!〉みたいなことになってしまう場合も少なくないわけですけど。
「そうなんですよね。そういうことになるのだけは避けたかった。誤解を恐れずに言っちゃいますけど、自分でもいろんな人たちのリミックスとかを聴いていて、最初の1~2回はすごいと思わされても、それ以降聴かなくなってしまうものってあるんですね。そうじゃなくて、もっと長く聴けるものにしたかった。僕自身にとっても、のちのち長く聴いていけるものに。インパクトや斬新さよりもそっちを重視しましたね。だから実際、家とか車のなかでもよく聴いてるんですよ。こういうことって久しぶりなんですけど(笑)」
――自分でも聴きたくなるもの。それは絶対に正解のカタチのひとつだと思います。
「ええ。hideといっしょにやってた当時からそうでしたからね。自分で聴けるものを作ろうというのが常にありましたから」
――作品自体にどこか普遍性を感じさせられるのも、そのせいかもしれませんね。同時に、これだけhideさんの歌声がたくさん入った〈新譜〉というものに触れたのも、かなり久しぶりということになります。
「そうですね。hideが亡くなった後にリリースされてきたものの多くは、未発表の曲を完成させたものとか以外は、基本的に旧譜から組み立てられたものだったわけですけど、こうして彼の声を全面的に使いながら新たに再構築したものというのは、久しく出ていなかったわけで。それをまとめるにあたって考えたのは、CDギリギリの長さまで全部を繋げた状態で収録したいということだったんです。だから候補曲はもっとあったんですよ。泣く泣く絞り込んでこの18曲にしたんです。最近、海外のアーティストなんかでも、自分たちの曲をリミックスしたものを延々とネットで流していたりするじゃないですか。なんか、ああいった感じのものにしたかったんです。ただ、同時に、あんまりいまの流行りとかを採り入れたりするのはどうかな、とも思った。リミックスとはいえ、あくまで原曲を活かした〈歌もの〉であるべきだと思ったし、いままでずっとhideの音楽を聴いてきた人たちが、自然に聴けるものにしたいと思ったんです。だからとにかく原曲を重視しましたし、〈いまのクラブ・ミュージックはこうだから〉みたいなことはあんまり意識しないようにしました」
x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x
TOWER RECORDS ONLINE
2013/08/28/b1212-hide/b1212_03
● INTERVIEW(3)――hideが〈楽しんでるねえ〉と笑ってくれれば
――今回、〈CLUB PSYENCE〉と同様に音楽的なキーワードとして提示されているのが、〈PSYBORG ROCK〉というもの。僕自身、hideさんとの会話のなかでこの言葉や〈PSYBORGROOVE〉といった言葉を耳にしたことがあるんですが、これについても改めて説明していただけますか?
「98年にhide with Spread Beaverという名義に変えて、ソロ活動の仕切り直しみたいなタイミングを迎えた当時、ちょうど世の中にデジロックと呼ばれるものが溢れはじめてきていて。簡単に言えば、人間がやることと機械にできることをうまく融合させたようなロックですよね。hideもまたそういったものをめざしていたわけですけど、そこで〈なんかデジロックって言葉を使うのは嫌だなあ〉というのが彼の口から出てきて。そこで、じゃあ自分たちの作ってるものは〈PSYBORG ROCK〉と呼ぶことにしようじゃないか、と。要するにそういうことだったんです。言ってみれば、いまみたいに誰でもプロトゥールスを使って簡単に音を編集できるような時代ではまだなかったし、みんな試行錯誤しながらそういうものを作っていたわけですよ。hideもまたそれにいち早く取り組んでいたわけですけど、実際、いまだったらボタンひとつ押せばすぐにできるようなことを、丸1日かけて手作業でやったりしてたわけなんです。ホントに手間暇を惜しまずに、ストイックに取り組んでましたよ。ただ、彼自身も当時、あんまり具体的な説明とかはしていなかったはずなんです。僕も彼から言われてましたからね、〈訊かれてもあんまり言わないように〉って(笑)。まあやっぱり、みんながやってないようなことをやっていたわけですから。企業秘密というわけじゃないにしても(笑)。いまではそれを誰でも普通にやっている、というのもすごいことだと思いますけどね」
――hideさん自身、秘密にしたくなるくらい画期的な方法論を見つけたという感覚だったんでしょうね。
「そうですね。何年間かかけてZilchをやってきた経験もあれば……元を正せば、ソロ活動を始めた当時からずっとハード・ディスクを使ってやっていたわけで。何年も実験を重ねてきたうえで作られたものだったわけです。で、よく言われることなんですけど、それをいまになって聴いても古く感じられない。それは〈PSYBORG ROCK〉が完全なオリジナリティーとして確立されていたからだと思うんです。少なくとも僕はそう思ってますね」
――INAさんには、例えばその〈PSYBORG ROCK〉の進化形を作りたいという気持ちもあるんじゃないですか?
「そこまで大袈裟なものはないですけど……。ただ、例えば今回の作品に入ってる“DOUBT”という曲の音源は、そもそも92年ぐらいに作りはじめたものだったわけですけど、今回のトラックには、ちゃんとその当時の音も入ってるし、クラブ・イヴェントをやるにあたってベーシックを作り直した頃の音も、『Ja,Zoo』のアルバムに収録されたときの音、その後にリミックスされたときの音も全部入ってるんです。しかもそこにまた新たな要素を加えたりもしてるし。つまり、過去20年以上の積み重ねがこの1曲のなかに共存してるわけなんですよ。改良に改良を重ねてきた過程というのが」
――そういう意味では、過去の集大成のようでありつつも、実はちゃんとアップデートされた音源になっているわけですね。ところで今回のシリーズでは、この作品以外にもさまざまなコンセプトによるトリビュート・アルバムが登場しています。こうした一連の作品に触れながらINAさんが改めて感じることというのは何でしょうか?
「やっぱり改めて感じさせられるのは、ホントにいい曲を書いてたんだなってことで。今回、このアルバムと同時にクラシカルなものもリリースされるじゃないですか。あの作品も、いわゆるクラシカル・ヴァージョンみたいなものばかりが入ってるわけじゃなく、めずらしい楽器でのアプローチとかもあってすごく興味深かったんですけど、それでもhideのトリビュート作品として成り立ってるのは、楽曲自体のメロディーがちゃんとしてるからだと思うんです。それをすごく感じましたね。ヴィジュアル系のトリビュートを聴いたときも、わりと原曲に近い感じでやっている人たちが多いことに気付かされて。結局、突き詰めていくと、みんなオリジナルのメロディーを大事にしたくなるんだろうと思うんです」
――同感です。それもまた先ほど言った普遍性という部分に重なるのかもしれませんね。そして結果、この作品は、hideさんに対する2013年のINAさんからの回答、みたいなものでもあると解釈していいんでしょうか?
「そこは……どうだろう? 正直、今回はそんなに重い意識では取り組まなかったんですよ。これまでの再構築の作業では、どうしても〈hideだったらこうしてたんじゃないか?〉みたいなことを意識するところがあったんです。だけど今回は僕の責任編集みたいな形でもあるし、そういった重い使命感みたいなものはあえて抜きにして、自分の好きなようにやろうというのが基本的にはありましたね。ただ、もちろん聴いてくださる方々に楽しんでいただけるものにしたいというのが第一にはありました。もちろん僕の場合、当事者の一人でもあるから、いろんなアーティストたちが集まってトリビュートするのとはまた違ってくるところがあるし、当時の音に対する答えみたいな意味をもってくることにはなると思うんです。でも、そんな難しい話じゃなくて、これを聴いてくれたhideが〈楽しんでるねえ〉と笑ってくれればいいなと思うんです。だから、皆さんが聴いて感じてくださったこと、それがこの作品の答えなんだろうと思います。リスナーの数と同じだけ答えがあっていいというか」
x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x x