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今回のYOSHIKI CLASSICALを受けての
YOSHIKIインタビューが掲載されています。
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BARKS
http://www.barks.jp/news/?id=1000092677
● 【インタビュー】YOSHIKI、「奇跡というのは起こる」
2013年7月24日、突然前触れもなく発表されたYOSHIKIの最新作は、『YOSHIKI CLASSICAL』と名付けられたクラシック作品だった。
様々なエンターテイメント業界から作曲依頼を受け作品作りに多忙を極めるYOSHIKIだが、そんな中でもX JAPANのニューアルバム、そしてVIOLET UKの1stアルバム…と、YOSHIKIの口からは断片的にその作品の概要が漏れ伝わってきていたところ。そんな状況下だからこそ、X JAPANやVIOLET UKを差し置いて『YOSHIKI CLASSICAL』のリリース発表は、文字通りサプライズなものとなった。
YOSHIKIが何を思い、何を考え、どこに向かおうとしているのか、『YOSHIKI CLASSICAL』とはどんな作品なのか、BARKSはYOSHIKIをキャッチ、話を訊いた。
◆ ◆ ◆
──待ちに待ったリリースですが、X JAPANでもなくVIOLET UKでもなく、まさかのクラシカル・アルバムとはびっくりしました。どのようないきさつでこの作品が浮上してきたんですか?
YOSHIKI:なりゆきなんですよ(笑)。なんかそういうことになっちゃったという(笑)。もともとはあまり考えていなかったんですけど…。
──X JAPANの場合は、ドラムがありベースがありピアノにギター、そしてToshlのボーカルが乗るという明快なレギュレーションがあるわけですが、YOSHIKIクラシックの場合、音楽的なルールってあるんですか?
YOSHIKI:あまりないですね。一応、ストリングスがメインということくらい。例えばゴールデングローブ賞のテーマ曲「Golden Globe Theme」でいうと、クラシカルと言いながらも、ドラムとかも入っていますし、実はギターも薄く入っているんですよね。聞こえないくらい…というか体感できる程度に。ベースも薄く入っているんです。
──バンドサウンド的要素も入っているんですね。
YOSHIKI:ええ、含まれています。今回「Miracle」という曲には、クワイヤ…というか合唱団も入っていたりしますし。
──バンドサウンドのようなルール/制約がないというのは、かえって難しくないですか?
YOSHIKI:そうですね。でもなんとなくというか無言のルールはクラシックにもありますし、自分もクラシック畑の出身なんで、なんとなくその中でやっているとは思います。多少はみ出ていますけど(笑)、はみ出ながらも全然違うことをやっているわけではないという感覚はあります。
──自由という意味では、「Miracle」の歌詞はイタリア語ですね。
YOSHIKI:はい、最初ラテン語にしようかイタリア語にしようかすごく悩んでいたんです。もともと詩は英語で書いていたんですけど、ちょっと違うな…クラシックぽくないなということで。で、結局イタリアの知り合いと相談しながら作っていったんです。
──それは、“音の響き”へのこだわりですか?
YOSHIKI:イタリア語がすごくしっくりきたんですよね。
──アンサンブル上のバランスとして、歌の楽器的響きは非常に重要なんですね。
YOSHIKI:英語にしても日本語にしても、やっぱりそこはこだわりますよね。歌詞の内容ももちろん大事ですが、歌詞の「響き」も考えて歌詞を書いているので。
──言葉の意味と同時に音(オン)に強くこだわるのは、いかにもYOSHIKIらしいですね。
YOSHIKI:そうです…ね。VIOLET UKとかだと、フランス語とかロシア語とかも入っていたりしますよ。
──制約を設けず自由にやるのは素晴らしいことですけど、妥協を知らないYOSHIKIには毒でしょうか。
YOSHIKI:ちょっとはみ出ている感というか、暴走してる感があるのが…いいかなと(笑)。
──アルバム11曲目には「Golden Globe Theme」カルテット・バージョンとありますが、これはどういう作品ですか?
YOSHIKI:タイトル通りで、カルテット・サンフランシスコというグループがあるんですが、彼らに曲を演奏してもらったものです。オリジナルと近いんですが、クラシックでいう室内楽に近い形ですかね。わざと身近に聞こえるような音にしました。
──アレンジ違いというか表現違いという感じでしょうか。
YOSHIKI:そうですね。多少アレンジも変わっているんですが、僕の感覚で言うと、オリジナルの「Golden Globe Theme」はとても壮大で広がる感じなんですけど、カルテットバージョンは食事でも食べながら聞くような感じです。
──アルバムでは他にも様々なアーティストとのコラボが実現していますが、そもそもジョージ・マーティンとの出会いって?
YOSHIKI:ずいぶん前…なんですけど、ジョージ・マーティンと意気投合したのは「クラシックの素晴らしさをロックファンやポップファンにも伝えていこう」という思いなんです。彼ももともとクラシック畑の人で、オーボエを演奏していたんですよね。そんな、クラシックを伝えていきたいというところで意見が一致して、最初にやったのが『Eternal Melody』ですね。
──それから公私ともに長い付き合い?
YOSHIKI:ボン・ジョヴィとかボブ・ディランとかいろんな人が出た東大寺のイベント<The Great Music Experience>がありまして、そのときのプロデュースがジョージ・マーティンで、彼から直接僕に「参加してくれないか」ということがあって、僕はロジャー・テイラーと一緒にやったんですよね。今回のアルバムに入っているバージョンというのは、『Eternal Melody』からのバージョンが入っているので、これは古い作品になりますね。
──時代も作品のトーンも、意外とバリエーションに富んだ作品になったようですね。
YOSHIKI:そうなんですけど、でも通して聴いてみたら「何年経っても自分の書いているメロディーってあんまり変わんないのかな」と思ったりして。“Eternal Melody”と最初から発言していた通り、「メロディって普遍的なものなんだな」ってつくづく思った。だからこそ100年後とか200年後とかにこれが聴かれたら嬉しいなと、思いながら作っています。
──今回発表された「グラミー・ミュージアム」で8月26日に開催されるイベントでは、『YOSHIKI CLASSICAL』の世界観が楽しめそうですね。
YOSHIKI:「グラミー・ミュージアム」は、どちらかというとショーケースに近い形だと思います。これもたまたま成り行きなんですけどね(笑)
──あのね…成り行きで由緒正しき「グラミー・ミュージアム」に出られるわけないでしょ(笑)。
YOSHIKI:いや、今回全部そうなんです(笑)。例えば今回のアルバムに関しては、世界中のファンの皆さんが「なんでYOSHIKIのクラシックは世界で買えないんだ」ということから始まっているんですね。そういうことを友達も僕に言い始めたから、リリースを考え始めた時に、たまたまグラミー関連でも「グラミーミュージアムでYOSHIKIも演ればいいじゃん、YOSHIKIもグラミーのボーティングメンバーなんだから」って話が持ち上がった。「そうだよね…」って、あんまり考えていないうちにどんどん決まって行っちゃったんですよね。
──それは成り行きとは言わない。必然から生まれるストーリーです。
YOSHIKI:でも、X JAPANやVIOLET UKの作品を出そうと思っていたのに、なんで『YOSHIKI CLASSICAL』が先に出ちゃうんだろう、って。「?」が頭に浮かびながらもリリースになるわけですけど(笑)。ファンの皆さんからも「なんで今クラシックなの?」って訊かれるんだけど、自分でもなんでだろう、って思います(笑)。
──海外発売がなかったことでニーズが高まったということですね。世界中で発売されて、『YOSHIKI CLASSICAL』はどんな聴かれ方をされるのでしょう。
YOSHIKI:クラシック畑で勝負しようという気はもともとなかったんですね。クラシックはどちらかというと趣味のようなものだったので。でもクラシックの人たちからも「これは凄くいい作品だから出したほうがいい」という意見もいろいろ頂いたので、であれば「Miracle」などは自分の中でも凄い自信作なので、リリースすることにしました。アルバムはコンテンポラリーなクラシックだとは思うんですが、「Miracle」には現代クラシックの要素も多少入っているし古典的なクラシックの要素もあるし、最近のスピリッツも入っている。これは勝負したいなという思いもあってあえてアルバムの1曲目にしたんです。
──いいですね。
YOSHIKI:基本的には自分はロックのアーティストだと思っているんですけど、クラシックもやっているうちにだんだん真剣になってきちゃいまして、どこに行けばいいのか自分でもよく分かんなくなっちゃいました(笑)。
──スマホから高級オーディオまで、幅広い様々な環境で聴かれるであろう作品になりましたよね。
YOSHIKI:そうですね、そこは意識しました。「Miracle」にはすごい低音が入っているので、そういうオーディオセットで聴くといいですね。
──凄い低音って…チェロですか?
YOSHIKI:コントラバスですね。実はそのコントラバスの低音にシンセで微妙に凄い低音を足しているんです。さらに低い低音を。耳で聞こえなくても体感できるような音です。
──また凄いこだわりを。でももう音は完パケしているんですよね?
YOSHIKI:いや、まだ作業中です。
──え?それはいかん。今から低音足すとかしちゃいけないですよ。発売日に間に合わなくなります。
YOSHIKI:そうですね(笑)、でもウェブに上がっている「Miracle」も、まだ実はラフミックスなんです。まだミックスしていないんです。
──「Miracle」というタイトル自体、危険な単語ですねぇ…
YOSHIKI:X JAPANの再結成もミラクルみたいなものだと思っているし、自分の存在も含め、奇跡=ミラクルというのがここ数年の自分のキーワードになっていたので、それを表わしたのが、この作品「Miracle」ですね。
──「Miracle」には、今の時点での様々な思いが切り取られた最新のYOSHIKIが表現されているんですね。
YOSHIKI:そうですね、自分が伝えたいメッセージは「奇跡というのは起こるんだ」ということです。
◆ ◆ ◆
米国「グラミー・ミュージアム」で開催されるイベントには、<An Evening with Yoshiki(YOSHIKIとの夜)>という題が付いている。『YOSHIKI CLASSICAL』やX JAPANの楽曲の中から数曲のパフォーマンスが予定されている他、YOSHIKIとグラミー・ファンデーション副会長による対談も行われるという。YOSHIKIの多岐にわたるキャリアやニューアルバムについて、貴重な話が繰り広がれらる予定だ。
<An Evening with Yoshiki(YOSHIKIとの夜)>は、8月26日にグラミー・ミュージアムで開催となる。ファンにとっては間近でYOSHIIKによるパフォーマンスや対談が楽しめるまたとないチャンスだが、アーティストとしてもグラミー・ミュージアムでのパフォーマンスは大変名誉なことだ。ラミー・ミュージアムでパフォーマンスを行ったアーティストはミューズ、ブライアン・ウイルソン、リンゴ・スターデイヴ・マシューズ、ジョン・レジェンド、ザ・ルーツといった面々であり、今回YOSHIKIの名がそこに加わることとなる。
チケットは、アメリカ現地時間7月25日より、アメリカン・エクスプレスのみで購入可能な先行販売が開始、チケット購入者には特典ギフトが付くという。一般向けのチケット販売は8月1日よりスタート、こちらはどのクレジットカードでも購入可能となっている。
ゴールデングローブ賞(HFPA)のオフィシャルサイトでもトップページで『YOSHIKI CLASSICAL』リリースのニュースが大々的に報じられ、Yoshikiの活動を全面的にサポートしている様子がうかがえる。あとは、無事ミックスが終了しリリースされるのを待つだけだ。
取材・文:BARKS編集長 烏丸
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