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● X JAPAN、世界に向けてアルバム制作最終段階へ
7月13日より、X JAPANの「JADE」が日本を含む東南アジア圏においてデジタルフォーマットで発売になった。日本においてはiTunesシングルチャート、ロックチャート、ミュージックビデオチャートで堂々の1位を獲得、ニューアルバムからのファーストシングルとして、順調な滑り出しを見せた形だ。
「JADE」は従来のX JAPANが持つ美しいメロディーとハードコアなリフが見事に溶け合った作品だが、シンプルに見えて構成は複雑化したX JAPANの新機軸ともいえる作品のひとつ。イントロのギターリフのキーはGであるが、サビを終えて再びリフに戻った時にはF#に転調してしまっており、サビに突入するときにはさらに転調し元のキーに戻るという摩訶不思議な展開を見せる。エンディングのリフがヘヴィーながらも希望に満ちた明るさを伴っているのは、Gに戻った開放感からくるものだろう。
「JADE」は、北米、ヨーロッパ、南アメリカ圏では6月28日に配信となり、アメリカ、イギリス、スイス、オランダ、イタリア、オーストリア各国のiTunesロックチャートにチャートインを果たし、フランス、ドイツ、フィンランドではトップ10入り、スウェーデンとスペインにおいてはロックチャート1位を記録している。
長年の夢であったヨーロッパツアーを終えたX JAPANだが、その充実した手応えは何よりも素晴らしい活力と不死身のエネルギーをバンドへもたらしたことだろう。ロンドン、オランダ、ドイツはソールドアウト、パリでは6,000席の会場をいっぱいにした。
「ヨーロッパのオーディエンスの反応はバンドメンバーの想像を超えるものだった。ショーの始まりからファンのノリがすごくて、後半に向かうにつれて、もっともっと激しくなっていった。オランダのライブではファンの人達のボルテージが上がり過ぎてバリケードが突破されたり…各公演の最後にはバンドとファンが一体になって最高の高揚感を味わうことができた」──Yoshiki
オーディエンスとの呼応こそが最高のライブを作り上げる基本要素だが、リスナーの琴線を鳴らし、理性で押さえ込まれていた感情のロックを解き放つのは、アーティストの存在エネルギーに他ならない。まさに人種を超え国境を越え、X JAPANの滾る体温がヨーロッパのロック・ファンを狂乱の宴に誘うことを高らかに証明してみせたものとなった。ちなみに何十年もの歴史をもつロンドンShepherds Bush Empireでは、会場始まって以来のグッズ売り上げを記録したという。これは、2010年10月のニューヨーク・ローズランド・ボールルーム(RoselandBallroom)公演と同様、歴代の快挙である。
ヨーロッパのジャーナリストも次々とX JAPANの魅力に取り付かれ、自らがリスナーと化し、Xジャンプでコンサートを楽しみ、熱狂するファンと同じ目線でX JAPAN公演に魅了されたようだ。X JAPANの快進撃は、ヨーロッパのメディアを通し、深く広く伝播していくことだろう。X JAPANのテリトリーは、まさに世界に広がりつつある。
世界を相手に今、X JAPANは最後のアルバム制作にしのぎを削っているところだ。
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