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　届けられたのは、品川区の品川景徳学園に現金１万円▽練馬区の東京都石神井学園に商品券と図書カード各１０万円分▽葛飾区の東京愛育苑向島学園にランドセル５個▽同区の希望の家に図書カード３０００円分▽調布市の二葉学園に筆箱８個や鉛筆５ダースなどの文具と現金１万円。手紙などとともに門の近くに置かれるなどした。

　送り主は二葉学園が「伊達直子」のほかは「葛飾区の伊達直人」や「浦安の伊達直人」など、いずれも伊達直人名義。手紙には「子供たちのために何かしたかった。お年玉として使って頂きたい」「報道を見て感銘を受けました。子供たちの笑顔に役立てて」などと書かれていた。

　事前に匿名男性から「ランドセルを寄付したい」との電話があったり、「通りすがりに男女２人から頼まれました」と匿名男性が持参したケースも。石神井学園の田中勝次長は「大変ありがたい」と感謝しつつ、「直接お礼を伝えられないのは心苦しい」と語った。

　都内では１１日朝、足立児童相談所にランドセル２個が「伊達直人」と書かれた半紙とともに置かれていた。

　また同日、世田谷区の警視庁玉川署にも商品券１０万円分が届けられた。午後２時ごろ、茶色のニット帽にグレーのベスト・ズボン姿の１８０センチほどの７０代とみられる男性が１階案内カウンターに紙袋を置き「近くの養護施設に届けて」と告げて立ち去った。中には１０００円の商品券１００枚と「子供たちのために使って下さい　伊達直人」などと書かれた手紙が入っていたという。

　漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」などの名義で全国各地にプレゼントが届けられる中、１１日は神奈川県内でも新たに９カ所で寄付や贈り物が届けられたことが分かった。施設などの関係者は戸惑いつつも「大人も勇気をもらった」と広がる善意の輪に喜んだ。

　さらに東京都東村山市でも同日、市役所隣の複合施設「いきいきプラザ」東玄関に色鉛筆や折り紙セットなどの入ったスーパーのレジ袋が置かれていた。同封のメモに「ランドセルでなくてごめんなさい　東村山の伊達直人」などと書かれていたという。【川端智子、高橋和夫、杉埜水脈】

　■神奈川

　「ランドセルでなくてすみません。少しでも子供たちが笑顔になってもらえれば」。川崎市の中央児童相談所（高津区）では１１日午前１０時ごろ、玩具４７点が伊達直人名義のメッセージとともに段ボールで届けられた。同市中原区の児童養護施設「新日本学園」では１０日深夜、玄関先に紙袋があるのを職員が発見。「あなたたちを思っている人もいることを忘れないで　伊達直人」の手紙と一緒に色鉛筆など６セットとノート４０冊が入っていた。加藤健志副園長（４８）は「子供はもちろん、ここで働く者にもうれしいプレゼント」と感謝していた。

　相模原市中央区の児童養護施設「中心子どもの家」でも１０日夜、職員が赤いリボンの付いた袋二つを見つけた。ロックバンド「Ｘ　ＪＡＰＡＮ」ギタリスト、故松本秀人さん（通称ｈｉｄｅ）名で「秀人さんの『できることはしたい』という人柄に影響された」とのメモが添えられ、駄菓子計１０袋が入っていた。曽我幸央所長（４４）は「タイガーマスクにちなんだプレゼントと思い、有り難くいただくきたい」と話した。

　県によると、１１日はこのほか▽「児童養護関連の費用に」と松沢成文知事あてに郵送で現金２万円▽県中央児童相談所（藤沢市）に現金３万円▽県北地域児童相談所（相模原市）に１０万円と鉛筆４ダース▽児童養護施設「中里学園」（横浜市）に１０万円が寄せられていたことが判明。横浜市の中央、北部児童相談所でもスポーツバッグや商品券１０００円分が届いていた。県内ではこれまで小田原市や厚木市の児童相談所、中里学園の３カ所にランドセルや玩具、文具が寄せられていた。

　■埼玉

　上尾市上尾村の県中央児童相談所では１１日午前６時４５分ごろ、清掃担当の職員が「入学祝いです」と書かれた紙が張られた四つの箱を見つけた。中には赤、黒、茶、ピンクのランドセルが入っていた。添えられた手紙には「いつか、皆さんの中から『伊達直人』が現れることを願っております」などと、新１年生にあてたメッセージも書かれていた。

　尾形寿男所長は「児童養護施設の子どもたちのことを考えてくれている人が身近にいると分かり本当にうれしい」と話した。

　越谷市役所でも同日朝、ＴＢＳテレビドラマ「肝っ玉かあさん」に出演した女優の故京塚昌子さん名で、ランドセル５個が届いた。便せんの手紙には「目には見えませんが、愛をいっぱいいっぱい詰めてあります。小さな体で背負って頂ければ、それだけで私は幸せな気持ちになれます」などと書かれていた。

　ランドセルは、市内に家族がいて県内各地の児童養護施設にいる新１年生の数と同じ５個。市では５人に贈る予定で、越谷市の新木田信明児童福祉課長は、「暗い世相の中、明るい話題で感激しています」と話した。

　桶川市役所には午後、白いマスクをした５０歳前後の女性が５万円入りの封筒を案内係に手渡し、立ち去った。「児童養護施設へお渡しください。我家には昨年、孫が誕生し幸せを感じています。親と生活できないお子さんに少しでも幸せを感じてもらえたら」との手紙が同封されていた。

　行田市真名板の児童養護施設「ケヤキホーム」にも「ガリバー旅行記」のアニメや乗り物のＤＶＤ計３本が届いた。さいたま市緑区の児童養護施設「ホザナ園」でも箱入りのランドセル２個と、色鉛筆や筆箱などの学用品５セットが届いた。

　上田清司知事は同日の会見で、「小さな子どもたちにしわ寄せがいかない社会を作らないといけないことが大事だ、という意味だと感じた」と述べた。

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