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ここ最近…ずっと英語だらけで、
翻訳するにも頭痛がしてたのですが…(苦笑)
やっと日本語でのインタビューです。
とは言っても、そう目新しい内容でもないですが…。
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● X JAPAN そして世界へ…
奇跡の再結成、初心に戻る海外ツアー
We are X ! We are X !
開始を待ちきれないファンが声を合わせる。ステージ中央に設置されたドラムセットのカバーが取られ、"X JAPAN YOSHIKI"と書かれた透明のドラムにスポットライトが当たる。それから10分ほどして客電が消えると、ステージを見つめる会場のファンたちの熱気と期待は最高潮を迎えた。
97年に解散を発表したX JAPANは、今ではメインストリームとなったヴィジュアル系ロックの先駆者的カリスマバンド。解散後もメンバーは各方面で活躍を続けていたが、日本だけでなく世界中のファンは、もう一度その楽曲が聞きたいと行く当てのない熱い想いをずっとたぎらせていた。そして07年、ファンが夢にまで見たニュースが全国を駆け抜ける――『X JAPAN』再結成。リーダーのYOSHIKIは、今年9月からはじまった初の北米ツアー出発前にインタビューに応じてこう語ってくれた。
― 解散から10年たった今、再結成をするに当たって何を思いますか?
「夢を見ているようですね。(X JAPAN が)解散した時、全てが終わってしまったという想いがありました。特に、解散後すぐにHIDEが亡くなって…。だから、再結成ということは考える余地はなかったね。再結成できるとも思っていなかったから。(再結成が決まった)今も、明日の朝起きたらそれは夢だった…そんな、すごく現実味がない感覚です」
― 他のメンバーも同じ気持ちでいるのでしょうか?
「そうだと思います。奇跡的な出来事だといっても良いかな。(バンドが解散してから)みんな、いろいろありましたから。TOSHIはプライベートでごたごたがありましたし、僕も、去年、再結成を決めた後に首の手術を受けました。いろいろなドラマがありましたが、僕たちは歩み続け、今、(再結成海外ライブを)しようとしている。これは奇跡ですよ」
― 再結成するに当たっての苦労はありましたか?
「一般的にバンドの再結成は大変だと思います。僕たちはHIDEが亡くなっているということもあって― 亡くなった、とは言えないですね。僕の中では彼はまだ僕たちと一緒にいますから… 感情的に大変だったことがたくさんありましたが、ファンの皆さんがいてくれたから。いったん再結成するということを決めてからは、(その決断が)鈍ることはありませんでした」
10年の時を経た念願の海外ライブ。10月7日、トロント公演のオープニングは新曲『Jade』、2曲目の『Rusty Nail』で既に会場は興奮の坩堝と化した。海外ツアーのために日本語のフレーズを残しつつ英詩をつけたというが、日本人よりも現地の多国籍ファンが多いマッシーホールに日本語のコーラスが響く。カナダ人ファンも日本語で歌詞を覚え、歌っているのだ。ボーカルのTOSHIもそれに合わせるかのように日本語で歌う。まるで日本でのライブにいるような一体感。X JAPANは言葉の壁も文化の壁も簡単に乗り越えた。ここがカナダ・トロントのマッシーホールであることに気付かせてくれるのは、ステージに立つメンバーとの有り得ないほど近い距離だけ。彼らの表情の一つひとつが隈なく確認できるほど、すぐそこにメンバーがいるのだ。
― 北米にも多くのファンがいることに驚きましたか?
「何年か前は、そうですね。信じられませんでした。それが、再結成したもう一つの理由です。僕とTOSHIは、(バンドが)解散してから708年も話をしていませんでした。でも、話し始めてからは… 最初は僕たちの友情を取り戻すことからはじめて、それからTOSHIが『世界中に(X JAPAN の)ファンがいるんだよね』っていうから、そうだねって言いました。良い意味で不思議だって。僕たちの音楽は広がっている。僕たちが何もしてない間でさえも。だから、もう一度やろう!って。一番大変だったのは、HIDE抜きでもう一度やることでした。(でも)僕たちのファンは日本だけじゃなくてこちら(北米)にもいて、サポートしてくれていることが分かったので…」
― そのHIDEさんの未使用ギタートラックがハリウッド映画『SAW ソウ 4』のタイアップ曲となった『I.V.』に使用されていますね。HIDEさんの未使用音源をこれから使用していく予定はありますか?
「可能性はありますね。『I.V.』は再結成をする途中で作った曲なんですが、その時、HIDE抜きでバンドの再結成はしないとマネジメントをしてくれている人たちに言いました。彼らは『でも、どうやって?』と言いましたが、何か方法があるはずだと思いました。とにかく(HIDEなしの)再結成は考えられなかった。『I.V.』は再結成後最初の曲ですが、HIDEの事務所から未使用のギターチャートをたくさん持ってきてもらって僕が編集し直しました。伸ばしてみたり、縮めてみたりして曲に合わせたんです。(それに)再結成コンサートでは、HIDEのホログラム映像を使いました。
今、出来上がったばかりの曲『Jade』にはHIDEは参加していませんが、彼の魂は込められています。SUGIZOと話して、『HIDEだったらこんな感じで弾くはず』とか、『こうじゃないかな?こんな感じはどう?』とか、そういう感じでイメージを固めていきました。彼(HIDE)のサウンドがなかったら(出来なかった)― 昨日、別の取材でインタビュアーに『メンバー5人のパフォーマンスはどうか』と聞かれたんだけど『メンバーは6人ですよ』って答えました」
―『Jade』を含め、新しい曲について教えてください
「最初のシングルは『Jade』になります。セカンドは『Born to Be Free』になるでしょうね。(新曲は)X JAPANのサウンドですが、少し進化したものになっていると思います」
― それは、SUGIZO さんが加入したことの影響でしょうか?
「そうですね。彼にはドラマティックなギターソロをして欲しいと頼みました。本当に、彼はもう完全にX JAPANのメンバーの1人になっています。彼は、僕と一緒に音を作りあげたといっても良いと思います。彼はスタジオにいるのが好きなんですよね。信じられないかもしれないですが、ミュージシャンは、自分のパートのレコーディングが終わったらサッと帰って飲みにいく(笑)人が多いんです。でも、何故かSUGIZOは… 例えば、僕はいつも朝の2時、3時まで(スタジオで)仕事をしていますが、彼も僕と一緒にいてサポートしてくれたんですよね。彼は、『Jade』で素晴らしいギターソロを聴かせてくれました。もちろん、PATA・HEATH・TOSHIも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれてます」
― どのような経過でSUGIZOさんは6人目のメンバーとなったのですか?
「彼とは長い間の知り合いでした。(彼がギターを務める)LUNA SEAがデビューする前から知っていて… そういえば、LUNASEAのデビューアルバムは僕のレーベルからだったな(笑)。友達だったけど、(メンバーに迎え入れることは)考えたこともなかった…一緒に仕事をするまでは、彼がどれだけ良いギタリストかも判らなかったし。S.K.I.N.というバンドで一緒に仕事をしたのが、(SUGIZOと仕事をする)初めての機会でした。このバンドは、SUGIZO・GACKT・MIYAVI― 彼らはみんな日本のスパースターで、僕と彼らが一緒になってバンドを組んでパフォーマンスをしたんですが、その時に『SUGIZOって良い友達だったけど、こんなにすごいギタリストだったんだな』と気付きました。HIDEもSUGIZOのことは良く知っていたし、X JAPANに彼が加入したのはすごく自然な流れでしたね。彼は、再結成の時のライブではサポーティングメンバーとして演奏してくれたんですが、その時に『メンバーにならない?』って聞きました。彼が『HIDEは?』って言うので、『5人目のメンバーじゃなくて、(SUGIZOは)6人目のメンバーだから』と答えました」
TOSHIからマイクを受け取り、ピアノの前に座ったYOSHIKIが話し出す。『Thank you for coming today... I love you!』会場からは悲鳴にも近い歓声が上がった。YOSHIKIは真っ白な歯を見せて満面の笑顔を作り、TOSHIと目配せする。その2人の姿は、友情を取り戻した喜びと念願の海外ライブツアーに飛び出した達成感が交じり合っていた。
― どうしてX JAPANは(あの時)解散してしまったのでしょうか?
「理由はたくさんあります。僕たちは日本ではかなり人気があったんですが、僕は日本から飛び出したいと思っていました。でも、日本から出ることにあまり乗り気じゃないメンバーもいました。日本ではもうスーパースターなのに、どうして同じこと(メジャーになる前の下積み)をもう一度しなければならないのか?それに北米と日本を行ったり来たりしたくないとか、そういうことですね。でも、もっとも大きかった理由は、TOSHIと僕が話さなくなったということだと思います。だから、別々の道を行くことになったんです。それが理由です」
― もしもバンドが解散していなかったら、北米デビューは早まっていたと思いますか?そんな予定はありましたか? 「解散前にアメリカデビューの話はありました。でも、その時に僕たちが(海外デビューの)準備ができていたかどうかは判りません」
― 今なら準備は出来ていると思いますか?
「そう思っています。僕たちにはあの10年が必要だったんだと思います。TOSHIと僕とは幼なじみで、同じ幼稚園に通って、4歳で出会いました。だから、本当に長い間一緒にいたことになりますよね。昔の良かったところ、今の良いところなどを話す仲だったんですが、そういうのを失くしてしまっていた。(でも今なら)僕たちの置かれている状況にもっと感謝できますし、10年前には思いもよらなかった(層の)ファンがいてくれますから」
― 北米ツアーはどこまでやって行きたいですか?
「いけるところまでやって行きたいですね。僕たちがライブをする時には、本当に全てのエネルギーを出し切ります。体力的にも精神的にもエネルギーを使い果たし、持っているもの全てを出し切るんです。だから、次の瞬間とか明日とかのことは考えていません。どれだけ出来るかは分かりませんが、死ぬまで、出来る限り沢山のライブをする気でいますよ。それだけ、本気なんです」
― そこまでエネルギーを使い果たしたり、無理だといわれていることに挑戦する活力はどこから来るんですか? 「僕は… 僕の父親や親友のHIDEは他界しています。でも、僕たちは今、生きている。だから、僕たちが持っているものを最大限に引き出して生きるべきだと思うんです。だからじゃないかな? もしくは、止まることが怖いだけかも知れませんね」
― 立ち止まることはないのですか?
「いつかはね(笑)。でも、僕は休むことは考えていません。少なくても… そうですね、X JAPANが北米であるポジションを確保するまでは。立ち止まったりはしないです」。
〈文/西尾 裕美〉
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