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ほとんどの紙面にX記事が掲載されていたそうです~。

 

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サンスポ

 

新生X、存亡の危機乗り越え30億円船出!

 

人気ロックバンド、X JAPANが、98年に死去したギター、故hideさんの命日である2日、東京ドーム2夜連続公演をスタートさせた。ベース、HEATHの所属事務所との契約トラブルを乗り越え、新たにLUNA SEAのギター、SUGIZOが加入。hideさんを含むメンバー6人の結束力はより強固になった。「無敵の夜」と題された新生X JAPANの初ステージに約5万5000人が酔いしれた。

 

“HEATHコール”が巻き起こるアンコール。それまで我慢していたファンへの感謝の気持ちが一気に爆発した。

 

 突如、HEATHはアリーナに降り立ち、ファンに次々とハイタッチ。リーダーのYOSHIKIと熱い抱擁を交わし、ボーカルのTOSHIも加えた3人で無邪気にステージを駆け回ると、5万5000人の大歓声でドームが揺れた。

 

 ファンをじらすかのように、開演は20分遅れた。それでもトラブルを乗り越え、新メンバーを迎え入れて一致団結した“6人”での初公演とあって、異様な盛り上がりを見せた。TOSHIは「いつもありがとな。新たに6人で強行突破するぜ!!」と感謝を伝えた。

 

 3月に発覚したHEATHの所属事務所とのトラブル。同月の韓国公演は延期となり、今公演の先行チケット販売が延期されるなど一時はバンド存亡の危機にまで発展。だが、YOSHIKIの説得でHEATHは残留し、さらにSUGIZOが正式加入。紆余曲折をへてメンバーの結束力は強固たるものとなった。

 

 新生Xのデビュー戦はhideさんの命日とも重なった。総制作費30億円のステージでは、エンドレスで生前のhideさんの映像が映し出された。新曲「Jade」を初披露したほか、「Tears」ではSUGIZOが得意のバイオリンを披露。楽曲「X」では、ドーム側から「誘導しない」と誓約書を書かされた“Xジャンプ”を強行突破。TOSHIの声をかき消すほど大合唱もわき起こり、興奮のあまり失神して救急車で運ばれるファンも現れた。

 

 それでも3時間20分、全13曲のステージを無事完走。YOSHIKIは「WE ARE X!!」と絶叫。絆を強めて進化したX JAPAN。あとは世界制覇へ向けて突き進むだけだ。

 

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BARKS

 


52日、X JAPANが見せ付けたエポックメイキングな決断

赤、白、青、黄、緑…様々なペンライトが小さなXをかたどり、光のじゅうたんがドーム会場を覆いつくした52()。またひとつ、X JAPANの新たな時代の幕開けに遭遇することができた。

 

「お前たち分かってんだろうな。52日だぜ。1000倍の気合を入れていけ!」…奇しくもhideの命日となったこの日のライヴがどれほど充実しており、どれほどの気合が蠢いたかは、すでにネットを駆け巡る様々な情報でご存知のことだろう。

 

この日を境に、X JAPANが大きく変貌を遂げつつあり、奇跡の一歩を踏み出したという事実をお伝えしなくてはならない。ポイントは2つだ。ひとつは、SUGIZOのメンバー化である。そしてもうひとつが新曲の登場だ。

 

 SUGIZOのメンバー化、これの意味するところは単純だが簡単なことではない。X JAPANがまだ見ぬ領域に前進しようとする意思を持っていること、そしてそこに必要な推進力と方向を見定める並ならぬほとばしる才能を取り込む必要があるとX JAPANが決断したことがエポックなのだ。20083月に行なわれた東京ドーム3daysとは、メンバーが向いているベクトルが180度違うことを示す重要なキーワードである。

 

SUGIZOの加入がサウンドに大きな影響を及ぼすということが重大なのではなく、まだ見ぬ新しい生命体として新たな音楽を生成/誕生させる音楽クリエート集団へ変貌を遂げたという事実が重いのだ。HIDEのピースを埋めることがどれだけ困難で、どれだけの風当たりがあるのかくらい、簡単に想像もつくだろう。これまでも説いてきた、HIDEの穴を埋めると表現した部分である。「埋める必要はない。埋めなくてかまわない」…そういう意見も吹き荒れるなかでのX JAPANの決断だ。

 

 HIDEの存在を否定する人は誰もいない。これからもHIDEは永遠のX JAPANのメンバーのひとりであることに変わりはない。X JAPANHIDEに会うことができる唯一の場がライヴ会場であることは、今後も変わらぬことのはずだ。しかし、X JAPANは、HIDEの呪縛から解き放たれる必要があった。このままでは呪縛に捕らわれたまま、黄金期のX JAPANを過激なまでにトレースするパフォーマンス集団に成り下がってしまう現実の厳しさに、もがき苦しんだのはX JAPANのメンバー全員だったことだろう。ミュージシャンとして生を受け、クリエーターとしてX JAPANが存在しなければ、おそらく彼らの立ち居地は存在しない。HEATHが何を見失い何故に苦しまなくてはいけなかったのか…十分に想像しうることではないか。

 

リセットされたHEATHの前進パワーと、SUGIZOのメンバー化は完全にシンクロした話であると分析するのが筋というもの。X JAPANの奇跡の再生である。

 

 SUGIZOという鬼才の存在は、X JAPANの鼓動に鞭を振るった。まだ見ぬ新たな世界へ踏み出すためののトルクフルな血流がモンスターの体温を上げていく。SUGIZOが偉大な才能の持ち主であり、X JAPANに多大な影響を与える潜在能力を持っているのはいわずもがな。モンスターはこれまでにない光を湛えて頭をもたげた。「DAHLIA」で見せたYOSHIKIのピアノとSUGIZOのヴァイオリンによる静かなる嵐は、インストゥルメンタルの表現力を超えて、破壊と構築のX JAPAN美学をこれまでにない形で表現して見せた絶品の数分間。X JAPANが全てを乗り越えて、大きな一歩を踏み出したこの輝かしきパッションは、間違いなくひとつのピークの瞬間だった。

 

新曲「jade」は2曲目「WEEK END」でエンジンがかかった後、早々に披露された。リフ・オリエンテッドなヘヴィなビートと、インダストリアルな匂いを携えた「jade」は、ドラマティックで重い作品であった。「弱い自分を“強行突破”だ」と叫んだTOSHIのメッセージをしっかりと受け止めたオーディエンスに、TOSHIは語った。「“強行突破”とは、純粋に生きること」と。

 

2度のアンコールにわたってたっぷりと3時間半のパフォーマンスは、多くの感動と満面の笑みをオーディエンスに届けて終了となった。

 

X JAPANが伝えたかったのは“俺たちは無敵だ”と言うこと。“それがX JAPANだ”ということだ。そして“X JAPAN”とは6人のメンバーではなく、X JAPANの作品を愛し彼らの生き様に共感を得る55千人のオーディエンスが“X JAPAN”であり“無敵”であることを見せつけた。

 

 Say Anything」をバックに、彼らは何度も何度も感謝の意をオーディエンスに伝えた。会場を走り、深々と挨拶を繰り返し、いくつもの「無敵」フラッグが空を切った。TOSHIYOSHIKIHEATHの両手をとり会場を走りながら、55千人のX JAPANへ笑顔を送り込んだ。HIDE人形はSUGIZOが守っている。

 

「みんな、ありがとう」とTOSHIの絶叫は、幾度も会場に響き渡った。「みんな、ありがとう」は、X JAPANの心の叫びであっただけではなく、これからのネオX JAPANの新たなる活動を約束する契りの叫びでもあった。「公演までにトラブルを解消し、必ず素晴らしいコンサートをする」と明言していたその裏には、新生X JAPANとして生まれ変わることへの覚悟と圧倒的な自信が裏付けとなっていたのだ。

  

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